森下喜嗣氏 講演「原子力機構やふげんの取組み、卒業生としての高専への思いなど」
2018年12月11日
舞鶴高専での講演
下記に、母校にて掲載されたホームページ記事を転載いたします。
転載のため、文面が同窓会目線ではないことをご了承ください。
-------------------------------------------------------------------
KOSEN4.0イニシアティブ(防災テーマ)第4回講演会を開催しました。
平成30年度“KOSEN(高専)4.0”イニシアティブ「地域に存在する重要課題を通して育成する課題解決力の高い社会実装型技術者育成プログラムの開発~防災を含む原子力教育をベースとして~」の事業の一環として、平成30年12月11日に、第4回講演会を開催しました。
今回は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 敦賀廃止措置実証部門 新型転換炉原型炉ふげん 所長 森下喜嗣 氏(舞鶴高専機械工学科卒業生)をお招きし、「原子力機構やふげんの取組み、卒業生としての高専への思いなど」をテーマに講演をしていただきました。
森下所長は、舞鶴高専在学中から「わからないことは森下さんに聞け」という合言葉があったほど周りの学生から慕われていたそうです。現在はふげんの廃炉措置で先頭に立って活躍しておられます。原子力発電所の廃炉では、汚染の除去と放射化した部材について時間の経過により放射線量を下げるというプロセスが重要であり、比較的高いレベルの放射線量の9割以上が集中する炉心からの燃料抜き取りと除染、また、負圧管理された建物内で解体作業を行うことにより、多くの構成材料が安全にクリアランス処理され再利用されると説明されました。最終的に発生する放射性廃棄物は、「ふげん」の場合で全体の2.7%ほどで、地中で安全に管理されるそうです。ふげんの廃炉のご説明の後、ふげんの次の実証炉建設計画に至る過程で圧力管の破断という過酷事故を想定した計算と実験による熱流体解析に取り組まれたお話がありました。
最後に現役学生へのメッセージとして、高専時代に学んだことにより「もの」がどう作られるか言葉からイメージできるようになったことが仕事で多いに役立ったこと、人間関係の基本は寮で学んだこと、このような高専に自信と誇りをもって勉学に励んで欲しいこと、また、原子力の研究開発の未来を担う後輩の出現にも期待を滲ませている様子でした。
【引用元】
http://www.maizuru-ct.ac.jp/edprc/news/20181211/index.html